2009年10月9日金曜日

福岡:福岡トリエンナーレ最新情報

FT4プレス担当から届いた情報です

■ウォン・ホイチョン(マレーシア)が登場!
「日本マレーシアビデオ交流−福岡−展」(10/8〜10)

日時:10月8日(木)・9日(金)15〜18時、
10月10日(土)15〜19時←FT4参加作家ウォン・ホイチョンが登場
会場:福岡アジア美術館8階あじびホール
主催:「日本・マレーシアビデオ交流福岡展」実行委員会

多言語・多人種・多宗教国家のマレーシアは、アートでも多様な展開を見せています。今展では、マレーシアの現代アートにおいて比較的新しいジャンルであるビデオ映像を取り上げます。アーティスト5人による作品解説も。その内の1人がFT4参加作家のウォン・ホイチョンで、10月10日(土)にマレーシア・日本・福岡を結ぶプログラムを上映します。

★チラシはこちらからダウンロードできます
http://svp2.com/news/2009breiko/fukuoka/fukuoka.pdf
★事務局ホームページはこちら
http://svp2.com/


■比嘉豊光・上映会「島クトゥバで語る戦世(いくさゆ)」&ウォン・ホイチョン対談


戦争を真ん中に。沖縄とマレーシアの証言がクロスする!

「島クトゥバで語る戦世(いくさゆ)」上映会&FT4参加作家比嘉豊光(ひが・とよみつ)のトークを行います。
1時間の上映会の後、日本軍によるマレーシア占領を経験したマレーシア人をインタビューし、それに基づく短編映画を手がけた、ウォン・ホイチョン(マレーシア)をゲストに迎えて、上映作品についてのトークを行います。

<上映会>13:00〜14:00 上映会「島クトゥバで語る戦世」
FT4参加作家の比嘉豊光らをメンバーとする「琉球弧を記録する会」は、900人を超す沖縄戦経験者へのインタビューを行い記録してきました。
本上映作品には、12人のオジーとオバーが登場し、島クトゥバ(方言)で様々な記憶を語っています。

<トーク>14:15〜15:30 比嘉豊光×ウォン・ホイチョン 
戦争や人々の記憶、沖縄やアジアといった視点から上映作品「島クトゥバで語る」についてフリートークを行います。

会場:福岡アジア美術館8階あじびホール 
入場無料、事前申し込み不要 
お問い合せ先:福岡アジア美術館:092−263-1100


■アショク・スクマラン(インド)とウォン・ホイチョン(マレーシア)が登場!ワークショップ参加者受付中!
「九州大学芸術工学部公開講座・公開レクチャー」(10/24〜12/5随時)
主催:九州大学芸術工学部/協力:福岡アジア美術館

【アショク・スクマラン】
10月24日(土)10:30〜12:00公開レクチャー、13:30〜16:00ワークショップ
10月25日(日)13:00〜16:00ワークショップ
場所:福岡アジア美術館8階あじびホール

【ウォン・ホイチョン】
11月7日(土)14:00〜15:30公開レクチャー
11月8日(日)10:00〜16:00ワークショップ
場所:九州大学大橋キャンパス

★申込み・お問い合わせはこちら
九州大学芸術工学部学務科教務係092-553-4418




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「第4回福岡アジア美術トリエンナーレ2009」

★ブログ更新中!↓
http://www.ft2009.org/blog/

★公式HP情報更新中!↓
http://www.ft2009.org/

repo:山口:「山口盆地午前五時」初日、アーティストトーク





「山口盆地午前五時」に行ってきた。
狩野さんの現地制作を見たかったのと、秋吉台のレジデンス施設へ就職したT嬢とも会いたかったから。
それにしてもYICAの情報は福岡へは届きにくい…


*NPO法人・山口現代芸術研究所(YICA)
「山口盆地午前五時」情報もこちらから
http://web.mac.com/kokutsu/YICA/Home.html


やっぱり行ってみないと分からないことが いっぱいあるものだ。

この企画、サイトを見てもチラシの画像があげてあるだけなので(しかも画像が小さい)、なんだかよくわかってないまま現地に向かった。

まず、
会場は二つ。
会場は「木町ハウス」と由緒正しい「菜香亭」。
いずれも入場無料。

狩野哲郎さんと、三宅航太郎さん+蛇谷りえさんのユニット(いいね!)という二組がゲストアーティスト。
でも他にYICAメンバーである作家の展示もやっている。

つまり、一種のグループ展。
そこにレジデンスをするゲスト作家が居るというわけ。
ここにキュレーターとして山城大督さん(本人も作家、現在は大垣在住)が絡んでくる。
主催してるのがYICA
どうやら毎年やってるプログラムのようだ。


「木町ハウス」はYICAの中心人物である奥津聖先生のオウチだったところらしい。
(だから来客用の駐車場がない)



YICAの拠点でもあり、レジデンス場所でもある。
この家で狩野さんがソロでインスタレーションを展示している。
チャボ(雌)が一匹放たれていて、いままで植物系だった狩野さんの作品とちょっと雰囲気が変わっている。

いっぽう三宅+蛇谷ユニット「いいね!」の展示は、菜香亭。
この企画のためにユニットを組んだ二人の間のディスコミュニケーション(というコミュニケーション)を作品化している。
映像を流して、携帯電話を使ったインスタレーションを添えているけど、展示だけだとわかりにくいかも?
作家二人が居る状態があって完成する作品、という印象。
こういう作品形態は、もしかしたらこれから増えるのかな。


歴代首相が訪れたという由緒ある「菜香亭」は、彼ら以外の10数組の作家による作品展示が館内あちらこちらに。
迷路のような昔の建物ですっかり魔にとりつかれたような気配になる。


初日(10/8)の19時からこの菜香亭でアーティストトークが始まった。


どこかの広間で座ってやるのかと思いきや、各作家が作品を解説しながら館内を巡るというもの。
なかなか全部おつきあいするのは大変…ときどき休憩しながら。
参加者は30人近かった?
YICAメンバーのほか、山口大学、YCAM、秋吉台国際芸術村の関係者ら。そうそう中原中也記念館のかたも。
(山口県立美術館のひとは居ないのかな?)


菜香亭から、木町ハウスへ移動して、ここでもトーク。



宴会へ向かったのはほぼ22時。

・鯨の竜田揚げ


山口駅界隈の夜は早いけど、でも遅くまでやってるカフェもあって二次会。
山口ならではの夜。
湯田温泉泊。
山口のアート関係者はたいてい湯田温泉界隈に住んでいるらしい


ひとことでいうと、山口のひとってマジメだなあと思った。
アートもそう。
YICAの母体になったギャラリーシマダさんがドイツとの交流が多かったせいか、コンセプチュアルな作品が多い印象。
だから文章で説明するタイプのものが多い。
最近の福岡はこういう傾向のは少ないなあと思った。


まちとアートって、本当にうんざりするほど聞くけども、歴史とか風土とか、やっぱり重要で、「まちに何かもたらすためのアート」ではなくて、「このまちでないと出てこないアート」の視点で考えるべきではと思った次第。


あと、タイトルの「午前五時」は夜明け前という意味を持つそうで、つまり、山口のアートはこれから明けてゆく、ということらしい。

(miyamoto)

2009年10月5日月曜日

北九州:北九州国際ビエンナーレ2009「移民」10/10-11/15(福岡説明会10/4メモ)

*公式サイト(アートインスティテュート北九州 A.I.K)
http://a-i-k.jp/


英語表記も「IMIN」で押し通す大胆さ。
日本語の「移民」が意味するところはそのまま、英語にはならないから、だとか。

10/4(日)19時から、ルネット(九大USI大橋サテライト)という建物でおこなわれた、「北九州国際ビエンナーレ 福岡説明会」に行ってきた。


そもそも「ビエンナーレ」というわりには、参加作家は数組だし、会期も1ヶ月やっと、だし、どうなってんの、という声が多い。

その前提として、「ビエンナーレ」(あるいはトリエンナーレ)という言葉は いつのまにか「まちを舞台にした」「最先端アートを楽しめる」「観光にもってこいの」アートフェスティバルとなってしまった、という認識がある。
この考えに基づくと、さて、このキタキュービエンナーレは「ビエンナーレといえるのだろうか?」


以下、主に、宮川敬一さん(ディレクターであり、参加作家でもある)の言葉を元に。
※発言の通りに書いているわけではありません

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前回2007年に1回目を開催した。
90年代以降、アジアの各地で急速に増えたビエンナーレへの違和感
疲れる。まるで見本市。

だから、初回は「一種のパロディ」と言い張った
1回で止めるつもりだった
でも2回やんないと「ビエンナーレ」にならんから、今回することになった

「移民」のテーマは1回目のときから、念頭にあった

リサーチ型の作家が多くなっていて
共通のテーマとして浮かび上がっていた

このテーマのもとに今回は「新作」が並ぶ。

リサーチ型の作品と、ドキュメンタリーとの違い。
違わなくてもいいかと思うけど
見せ方が違うかもしれない
(ドキュメンタリー映画の場合は、モニタでもプロジェクションでも原則は構わないはず)
ヒューマニスティックな結論に持ってゆきがちかどうか、という違いもある?

映像の展示ばかりかと言われる。
映像ばっかりでもかまわないじゃないかと思う。
絵画ばっかりでもかまわないのと同じ。
そういう表現手法が問題なのではない。


どうしても土地の歴史を考えてしまう。

北九州は日本の近代化を担ってきた土地。
門司港は開港120周年(横浜、函館、長崎より30年遅れ)
1899年から1909年までの10年のあいだに人口は3000人から10倍にふくれあがる。

闇の歴史
戦前、戦後。
アジアからの流入
ブラジル移民、国策
からゆきさん
満州

マスメディアは戦前も戦後も変わっていないのではないか。
むしろ、日本側を植民地化するプロパガンダがあったのでは。
それが自分の作品のテーマになる。

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宮川さんの発言を元にしたメモは以上。

ビエンナーレは、展示、上映、シンポジウム(トーク)で構成される。
おそらく「福岡市」では極めて実現しにくいタイプの、「北九州」という土地であることで、リアリティをもつこのプロジェクト。

硬派な構成だが「まちをテーマにした」という点では、しっかりと「ビエンナーレ」といえるつくりになりそうだ。
もちろん、北九州以外の、ヨーロッパやアジアのいろんな都市でリサーチされた作品が登場する。
それは現代の世界各地の状況をあぶりだす。

手をペンキまみれにして現れた宮川さん。
前回以上に、人手もお金も足りていない。

それでも実施するのはなぜだろう。
作家がディレクターというのも 通常なら変な話だ。
でも実は、何かを作るというスタートは これなのではないか。

ものすごくツッケンドンなビエンナーレだが、やはりここから始まる何かがある。
ぜひ、これは目撃しにゆかねば。

※会場は門司と小倉の二カ所。火水木が休みなので注意。

(miyamoto)